鴉が告げた秘密の合図を
受け取った夜に
伸びた影は闇に誘われて
微睡む目擦った
サテライト
呼び起こす崩月の姫
アラート響いて
その剣で宙を衝いた
聴こえたのは
冒涜された誰かの聖歌
耳を塞ごうにも
愛を真似て鼓膜を刺した
嘘に惑わされぬようにと
呟いた魔法はかき消された
抱擁に呑み込まれる
「見えよう、終の街で――」
墜ちた羽を拾い集めていた
罪の廃堂、月下
始まりの日 手にしてしまったの
あの指輪は呪い
錆び付いて
遺された鉄塔に
ひとり寄り添っていた
忘れ去られた都市と秘匿された夜が
語り継がれなかったとしても
幾度も目を覚まして 冷鉄の墓標に
掠れた文字で次を刻んだ